年末

ただ単純な連続は有であるが無に近く

そこに変化や印があってこそようやく存在を認識しやすくなる

ああして区切ってこうして分けて

名前を付けたり意味を加えて

そうしてヒトが作ったこの年末が

僕はとても愛おしい

何でもない日でもいいのにも関わらず

日常という名前にして

ただの時間の経過という現象にして

何にもなくしてもいいのにも関わらず

ああ愛おしいな

僕達は年末を設けた

さも忙しそうにして

なんだか楽しそうにして

此の周期の今日までの反省だとか

次の周期の新しい目標だとかを考えて

僕達は僕達を動かす

よい年末を

もしもこの年末がうまくいかなそうなら

別の日に自分だけの年末を作ればよろしい

毎日が年末でもいい

ただあまりに恣意的になると僕達は先送りにしてしまうから

この年末を大いに焦ろう

面倒臭い事をしよう

この年末を口実にして

終わりと始まりを生み出す

それでは改めて

よい年末を